鳶が鷹を生む

とびがたかをうむ

平凡な親から優れた子が生まれる。

🐱 動物

意味・由来

「鳶が鷹を生む」(とびがたかをうむ)

【意味】

「鳶が鷹を生む」とは、平凡な親から優れた才能を持つ子どもが生まれることのたとえです。鳶(トビ)は猛禽類の中では比較的ありふれた鳥であるのに対し、鷹は高貴で優秀な鳥とされています。その鳶から鷹が生まれるという、通常ではありえないことを表現しています。親を謙遜しつつ子どもの優秀さを称える場面でよく使われます。

【由来・語源】

トビとタカは同じタカ目に属する近縁の鳥ですが、日本では古くからタカは鷹狩りに用いられる高貴な鳥、トビは町中でも見かける身近な鳥として区別されてきました。この社会的な価値の差が、「平凡」と「優秀」のたとえに使われるようになりました。江戸時代のいろはかるたにも採用されており、庶民に広く親しまれてきたことがわかります。なお、実際の自然界ではトビからタカが生まれることはありません。

【使い方のポイント】

このことわざは、親が自分を謙遜して子どもを褒めるとき、あるいは周囲が「あの親からこんな子が」と驚くときに使います。注意すべきは、必ず「親が平凡である」という前提を含むため、使う場面を間違えると親を侮辱することになる点です。他人の親子関係について使う場合は、親本人がいない場面でも慎重さが求められます。自分の家庭について謙遜として使うのが最も無難な用法です。

【例文】

《ビジネスシーン》

入社3年目の佐藤さんが社内コンペで最優秀賞を取った。ご両親は地方の農家だそうだが、鳶が鷹を生むとはこのことで、プレゼン力も企画力も同期の中で群を抜いている。

《日常会話》

うちは夫婦そろって運動音痴なのに、息子がまさかの県大会優勝。鳶が鷹を生むって本当にあるんだなあと感動した。

《作文》

「鳶が鷹を生む」ということわざは、遺伝だけでは人の才能は決まらないことを示唆している。親の能力に関係なく、子どもが持つ可能性は無限であり、教育や環境次第でどこまでも伸びうるのだと、このことわざは教えてくれる。

【類似表現との違い】

「蛙の子は蛙」(ID:3)は正反対の意味で、子は親に似るものだという表現です。「鳶が鷹を生む」は例外的な事態を表し、「蛙の子は蛙」は一般的な傾向を表しています。英語の born with a silver spoon(裕福な家に生まれる)は恵まれた環境を指すため意味が異なります。「鳶が鷹を生む」に近い英語表現はあまりなく、日本語特有の感覚を持ったことわざといえます。

【豆知識】

鳶(トビ)は実は非常に賢い鳥で、都市部で人間の食べ物を巧みに奪い取る技術は見事なものです。鎌倉や江の島では、観光客のソフトクリームや食べ物を上空から急降下して奪うトビが名物(迷惑行為)として知られています。一方、ことわざでは「平凡な鳥」として扱われるのは、鷹狩りの文化において鷹が特別視されていた名残です。トビは飛翔能力も高く、上昇気流に乗って何時間も滑空できる優れた鳥であり、「平凡」というレッテルは少々気の毒ともいえます。

使い方・例文

ビジネス

今回のプロジェクトは「鳶が鷹を生む」を胸に、チーム一丸となって取り組んでまいります。

日常会話

「鳶が鷹を生む」って昔の人はうまいこと言ったよね。

作文

「鳶が鷹を生む」という言葉がある。この言葉は私たちに大切な教訓を教えてくれている。

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クイズ

「鳶が鷹を生む」の意味として正しいものは?

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